すると、切り落としたはずの「ブラウド」の左腕が勝手に動き出し、「竜牙」に力一杯掌底をくらわしたのである。
ドン!!
「うぐっ。」
「竜牙」は吹っ飛ばされた。
「俺にお返しができなくて残念だったな。ムン!!」
切り落とされた左腕がひとりでに動き出し、「ブラウド」の体に引っ付き、もとどおりになった。
「この程度の傷、『エナジー リカバリー』(回復)を使うまでもない。お前はさっき『エナジー リカバリープロデュース』(創造再生)使ってたよな?たしかあれは、『恐竜星』の『ディノヒューマン』の技だったな。ちょっとエナジー 量が増えたからって、エナジー の無駄遣いが過ぎるぞ。だからお前は、エナジー が俺より高かろうが、俺には勝てない。」
「そんなことやってみないとわからないじゃないですか!!『重力』!!」
「竜牙」は強力な「重力」を発生させ、「ブラウド」をひねり潰そうとした。
「効いていない!?いや届いていない!!」
「そらそうだろ?俺は『恒星クラス』だぜ?お前が使えるエナジー 能力の全てを解析することができる。俺の40兆個の細胞たちが勝手にやってくれるんだぜ?どうやら俺の『セル・エナジー』は、俺の『シールド』から半径500mに『浮力』を発生させ、お前の『重力』と同等の力を発し、相殺してくれたみたいだ。次はもっと面白い技、見せてくれるのか?なければ、死ぬだけだが、いいか?」
「『エナジー ショット』は効かなかった。火の属性攻撃も効かなかった。『デス・エナジー 』も無効化された。『重力』も効かない。先生には、40兆個の細胞たちが、オートで攻撃と防御を行う。これじゃあ40兆人の先生と戦っていることと同義だ。俺の使っていた『エナジー 体』とも比べ物にならない。はぁはぁはぁ。そうだ!!『覇者』からもらった『エナジー 武具』!!『オロチバスター』しかない!!先生を倒すには!!さっきもダメージを与えれたんだし、それっきゃない!!ってあれ?俺の手に『オロチバスター』がない・・・。」
「ん?これのことか?」
「あっ!!」
「ブラウド」はいつの間にか、「竜牙」から「オロチバスター」を奪っていた。
「お前に掌底をくらわせたときに、お前の体からこの大鎌が離れたから、つい持っちまった。これが『エナジー武具』なんだな。お前が手に持っているときは、刃が出てたけど、俺が持ったら刃が消えたな。持ち主じゃなければ、使用できないってことなんだな。『黒竜』から聞いたぜ。『エナジー 武具』をつくれる『覇者』ってやつは、俺たちより遥かに強いんだろ?だからまた、お前はいい気になってるんじゃねーか?『宇宙三戦士』の時もそうだったよな?自分より遥かに強いやつと知り合いになってると自分まで強くなった気でいるんだろ?はぁ?笑わせんな!!今、どうみてもお前の方が俺より劣勢だよな?この状態でも調子乗れるのか!!『竜牙』!!」
「そんな俺は・・・・。ちょっと先生なにするつもりですか!?」
「この『エナジー 武具』に、お前は希望を抱いている。確かにもう一度、お前の手に渡り、これで俺を攻撃されたらどうなるか俺にもわからない。俺を攻撃してきたときの攻撃力は『恒星系クラス』だったからな。だから破壊するんだよ。お前に一筋の光も与えん!!」
「ブラウド」はちからづくで大鎌の柄の部分を無理やり折って、バキバキにした。そして、腐敗のエナジー能力を発生させ、跡形もなく消滅させた。
「嘘だろ・・・。」
「竜牙」の目には、涙が溢れていた。絶望感・・・・希望が絶たれたことへの反動なのか。
「『竜牙』の泣き顔なんて『ケミエナ星』でもみたことなかったな!!はっはっはっ。気分がいい。そのまま、体も心もグチャグチャにしてやるよ!!」
「ブラウド」は「引力」で「竜牙」を無理やり引きつけ、「竜牙」の顔面に思いっきり拳を入れた。
ガン!!
「竜牙」はまた大きく吹っ飛んだ。
「『クレイジーエナジーパンチ』だ。お前は俺のパンチをくらったから、もうまともにエナジーを張れないぜ。」
「ブラウド」の「クレイジーエナジーパンチ」は、エナジーの調子を狂わす能力。今までのように自由自在にエナジーを使いこなせなくなる。
「そこに俺の細胞たちをプレゼントしといた。さてどうなるかな?」
ボン!!
「竜牙」の四肢は破裂した。「ブラウド」の「セル・エナジー」が「竜牙」の体の中に侵入し、内部から破壊したのである。
「竜牙」は泣いていた。完全に思考が停止しており、戦意を失っていた。
「チッ。もっとギャーギャー叫べよ。殺りがいがねえ。おい。俺の『セル・エナジー』たち。やれよ。」
「『ブラウド』いい加減にしろ。これ以上、『竜牙』に危害を加えるなら、俺が相手だ。」
「はっ?『アーク』?冗談だろ?」
次回。 第178エナジー 「『アーク』初めての活躍」
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